ギネスブックによると世界一長生きした人は男性で116歳、女性で122歳と明記されています。この最高齢の記録に関しては、様々な噂が伴い、過去には記録がどこか胡散臭いものあり、きちんとした記録の重要性を感じます。

ホオジロザメも同じ事が言えます。ホオジロザメは飼育する事が非常に難しく、正直な所、生態すら完全にはつかめていない状況です。人間と違って自分の年齢を自己申告してくれる事もありません。

このような水族館で始めから飼育されたことのない魚はいったいどうやって寿命を判断すればいいのでしょうか。5mを超える大きさに成長するまでには、相当な時間が必要なのは想像出来ますが、ホオジロザメの寿命について、現段階で解っている事をご説明いたします。

ホオジロザメの寿命

ホオジロザメ 寿命

サメの中で一番長寿とされているのがジンベイザメで、約100年を超えると言われています。

ホオジロザメに関しては全く見当も付かず、だいたい20~30年ではないかと推測されてきました。

サメの寿命を調べる事は大変難しく、方法はGPSを取り付けて自然に戻すやり方と、捕獲した個体の脊椎骨を調べて、年齢を調査する方法が取られています。樹木の年齢を調べる為に、切った木の年輪を見てその数を数えて判断するのと似ている方法です。しかし、このやり方も病気や老化で脊椎骨が変形することもあり、判断が難しい事もありました。GPSを取り付けるやり方は、非常に時間が掛かります。いつ終わるかもわかりません。その為、長年、大体30年ぐらいだろうされてきました

しかし、ある事をきっかけに寿命を特定する糸口が見えてきました。それは、捕獲したホオジロザメの放射能の含有量を調査したことで発見されました。自然にはある程度の放射能がありますので、それは判断にはなりません。しかし、著しく放射能を含有している個体が、発見されたのです。これは、核実験が海上で頻繁に行われていた時に、放射能を大量に浴びた記録となります。その被爆した年代を計算すると、明らかに50年前後は生きる事ができると解ったのです。なんと73年も生きている個体もいました。

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まとめ

私達が正確には知る術の無かった、ホオジロザメの寿命の手がかりをくれたのは、結局のところ、やはりサメ自身でした。

私達人間の身勝手で行った海での核実験は、その海に住む生き物達を確実に被爆させていました。その悲惨な事実があったという事を、私たちに教えてくれたお陰で、30年程度だと思われていたホオジロザメの寿命が、実は倍以上生きる事が出来たという事が解りました。

数え切れないほどの命を奪う核兵器の実験のお陰で、ホオジロザメの寿命の新たな発見をする事が出来る事になろうとは、当時は想像すら出来なかった事でしょう。

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