今の水族館はデートに最適です。
アシカや、イルカのショーでエンターテイメントの要素もありますし、巨大水槽を泳ぐ魚の群れは、なんだか動くアート作品を見ているような気持ちにさせてくれる、美術鑑賞のような要素もあります。それに動物園と違ってビルの中に水族館がある所もあり、夜景と共に魚を見たり、ロマンチックな気分にさせてくれる場所もあります。
このように私達が楽しんで鑑賞できるのも、飼育員や、施設の苦労の賜物でしょう。飼育員さんは、勉強を重ね、5mもある巨大エイを飼育したり、イタチザメやメジロザメなど、様々な種類のサメが水族館で飼育されています。
しかし、その中でどうしても飼育できないサメがいます。それはホオジロザメです。もし、ホオジロザメが水族館にいたら、誰もが見に行くでしょう。デートでは盛り上がるでしょうし、ジョーズの映画を見たことのある大人は、子供にその姿を見せたいと思うでしょう。その為、世界中の水族館はホオジロザメの飼育にチャレンジして来ました。
でも、すべて断念せざるを得ませんでした。
その理由をご説明いたします。
ホオジロザメは水族館にいない?
2017年現在、ホオジロザメを水族館で飼育しているところは、世界中で一つもありません。
2016年に日本の沖縄の美ら海水族館がチャレンジしましたが、失敗に終わってしまいました。
一番の最長の飼育記録が、2008年にアメリカのモントレーベイ水族館の198日です。それも何度もチャレンジして、やっと残した記録なのです。しかも、そのモントレーベイ水族館は2011年に飼育や、捕獲をやめてしまったようです。現在では水族館にホオジロザメはいない状況です。
ホオジロザメの飼育は難しい?
ホオジロザメの飼育が難しい理由は、その性格と、習性にあります。
まずはホオジロザメはかなりの神経質で、餌を食べなくなってしまったり、暴れて体を傷つけてしまったりする事が多いからです。それにもともと回遊性が強く、ものすごいスピードで水槽内を泳いでいて激突して怪我をしてしまうケースもあるそうです。
運良く落ち着いたとしても、他の個体への捕食が激しく、混泳が難しい為、断念せざるを得なかったというケースもあります。
ホオジロザメを飼育するためには、水槽の整備や、餌の確保、ホオジロザメ自身のメンタルの問題が多すぎるのです。
まとめ
飼育に成功したアメリカのモントレーベイ水族館は、大きさが5mにもなるホオジロザメではなく、小型で1.6m以下のホオジロザメを選びました。
その訳は、大型の方は、成長すると餌が、オットセイや、アシカになり、コストがかかりすぎるからです。小型の場合は魚をたべるので選ばれたそうです。
それでも多くの問題を超えなければならないリスクは、来場者のアップによる増収ではとても足りないものなので、断念せざるを得ないのが現実のようです。