みなさん、サメの中でもワニと名のつくサメをご存知ですか?
実はオオワニザメという種類のサメがいます。名前にワニとサメの両方が入っているなんて、サメの中でもかなり狂暴で恐ろしいイメージなのですが、一体どんなサメなのでしょうか?
オオワニザメは生きている化石とも呼ばれ、目撃例がかなり少ないことから稀種ともされています。あまりお目にかかることがないものの、温帯から熱帯の海に広く生息しているとされていて、日本周辺にもいるようです。
そんなオオワニザメですが、どんな場所でどんな生活をしているのでしょうか?調べてみましたので、少しお付き合いいただければと思います。
オオワニザメって共食いするの?
オオワニザメは何を食べているのでしょうか?
その答えは小魚、イカやタコ、その他カニなどの甲殻類だそうです。人を襲うような狂暴なサメではないのですね。名前とはちょっと違いますよね。
オオワニザメは海底の方で1匹から5匹くらいまでの小さい集団で見られることがあり、海底山脈に沿ったり海山を越えたりしながら長距離を移動するようです。
オオワニザメの繁殖方法はまだはっきりとは分かっていないのですが、同じオオワニザメ科のシロワニという種類のサメと同じではないかと考えられています。シロワニは母サメが自分の胎内に産卵し、子ザメが孵化後に母体から生まれてくる卵胎生という繁殖形態をとります。ただ、シロワニの場合は普通の卵胎生ではなく、胎仔は他の卵や自分の兄弟姉妹を食べて大きくなるそうです。また、兄弟姉妹たちは父親が違う異血の子が混じり合っていて、同じ父親の強い仔が協力するとも言われています。そして最終的にこの競争に勝ち抜いた一番強い1匹だけが生まれてくるのですが、シロワニには子宮が2つあるので、一度に産まれてくる子ザメは最大で2匹だそうです。
オオワニザメもこの形態と同じではないかと考えられていますが、実際に妊娠しているオオワニザメの目撃情報がないことから、その繁殖形態は明確には分からないとされています。
まとめ
オオワニザメはちょっと怖い名前をしていますが、実際にはおとなしく人を襲うことはないようですね。
ただ母親の胎内で壮絶な戦いを繰り広げ、共食いを勝ち抜いた者だけが海を泳ぐことができるサメだったのですね。やっと産まれてきた子ザメは、今度は海中の敵から逃れるため小さいうちは海底で生活し、大きくなるにつれ浅い場所にも出てくるようになるのだそうですよ。とてもたくましいですね。